泌尿器科系の鍼灸治療

排尿トラブル

  以下のような排尿トラブルがある方には、鍼灸治療が有効です。

     頻繁にトイレに行く

   
 夜間トイレに起きる

   
 排尿するときに痛みがある

   
 排尿後も尿が残っている感じがしてすっきりしない

   
 トイレに行くまでに我慢できなくて漏らしてしまう時がある

     咳やくしゃみで尿漏れしてしまう

   
 子供がおもらしをして困っている

   
 下腹部や骨盤のあたりに痛み・違和感がある




排尿のこと


○正常な排尿  
 通常、膀胱には200~400cc程の尿が溜まると尿意を感じます。
 しかし排尿は我慢することができ、尿漏れすることはありません。
 トイレに行き排尿してよい状態になると、脳からの信号で排尿が行われます。

 

頻尿

 尿が近く、トイレに何回も行かなければならない状態です。
 2時間以上排尿を我慢できない状態や、
 朝起きて夜寝るまでの間に8回以上トイレに行く状態が続くと頻尿と診断されます。
 
 ①尿を十分に溜められなくなる
  なんらかの原因で膀胱が過敏となり容量が少なくなると、
  尿を十分に溜められなくなるため頻尿になります。
  原因として多いのは、膀胱炎や尿道炎・前立腺炎などの炎症性疾患や過活動膀胱、ストレスです。
  男性の場合は前立腺肥大症から起こることも多いです。
  前立腺がんや膀胱がん・膀胱結石などでも起こることがあります。

 ②残尿がある
  残尿があると、膀胱にためられる残りの容量が少なくなります。
  このため通常より少ない尿量でも膀胱容量がいっぱいになるため、頻尿となります。
  排尿の勢いが弱い、残尿感がある、尿の切れが悪いなどの症状が起こる低活動膀胱や、
  前立腺肥大などで起こります。

 ③尿量が多い
  心臓病や高血圧などの治療で服用する利尿作用がある薬の服用、
  水分摂取量が多い場合に起こります。
  腎臓の機能低下や心不全、糖尿病・尿崩症などの疾患でも起こります。



夜間尿

 夜、床についてから1回以上排尿に起きなければならない状態です。夜間頻尿と言います。
 40歳以上の方の約70%にみられ、年を重ねるごとに回数も増えていく傾向にあります。
 また夜間にトイレに行くことで睡眠が障害され、生活の質(QOL)の低下を引き起こします。


 ①夜間多尿
  通常、昼間と夜間の尿量にあまり差はありませんが、
  夜間多尿の場合には、昼間起床時に比べて夜間の尿量が増加します。
  カフェイン飲料やアルコール飲料は利尿作用があるため、
  また塩分の多い食事は尿量を増やし、のどが渇いて水分摂取量も増えるため夜間多尿が増加します。
  末梢のむくみや寒さなども頻尿になる要因の1つです。
  高血圧やうっ血性心不全などの循環器疾患、腎不全、
  睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患などの疾患でも起こる場合があります。

 ②24時間多尿
  糖尿病や尿崩症、つねに水分を多量に摂取する習慣性多飲でおこります。

 ③膀胱容量の低下
  通常の細菌感染によっておこる急性膀胱炎、間質性膀胱炎などの炎症性疾患
  明らかな神経の疾患や障害を原因とする膀胱の機能障害である神経因性膀胱などで起こります。
  膀胱がん・膀胱結石などの膀胱疾患、前立腺がん・前立腺肥大などの前立腺疾患でも起こります。

 ④睡眠障害
  夜間睡眠が深い状態では膀胱の容量が増え、昼間の1.5~2倍になると言われています。
  しかし睡眠が浅くなることで、目が覚めてしまいトイレに行く回数が増えると考えられます。









妊娠中・産後の排尿トラブル

妊娠中は、大きくなった子宮や児頭によって膀胱が圧迫されたり、
膀胱容量が減少することから頻尿や夜間尿が起きやすくなります。
また子宮が大きくなることで、腹筋が緩み腹圧が低下したり
出産時のいきみなどから、骨盤底筋の筋力がゆるみ尿漏れや尿が出ない
といった排尿トラブルを引き起こします。
骨盤低筋や腹筋を鍛えることも大切です。





排尿トラブルへの鍼灸治療


頻尿や夜間尿・尿失禁などの排尿トラブルに対して、仙骨と呼ばれる骨盤部への刺激が有効です。
当院では、排尿トラブルに有効な治療法である「中髎穴刺鍼」を取り入れて治療を行います。

週1回の間隔で4回行うと、約80%に頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁などの改善が認めれ、
膀胱容量が増大することもわかっています。
しかもこの効果は治療を終えた1か月後でも、持続します。

睡眠障害やストレスに対しても治療を行い、
膀胱の要因以外で引き起こされる排尿トラブルに対しても対処していきます。
鍼灸治療が睡眠やストレスに及ぼす効果は多く報告されており、様々な効果が期待できます。





初めての方





泌尿器科の病気と婦人科の関係

ウロギネコロジーという言葉をご存知でしょうか?
ウロギネコロジー(Urogynecology)とは、泌尿器科(Urology)と
婦人科(Gynecology)からなる造語です。
泌尿器系や生殖器系をはじめとする骨盤底臓器の疾患を扱う分野です。

 骨盤内には子宮・卵巣があり、膀胱や大腸があります。
 骨盤内の環境は頻尿などの排尿トラブルや
 生理痛や不妊症とも関連しています。


 泌尿器だけでなく、婦人科の症状も含めて診察し治療することで
 症状の改善につながります。