つわりは妊婦の半数以上が経験するといわれる症状ですが、その程度や期間には大きな個人差があります。
つわりの原因はまだ完全には解明されていませんが、なりやすい人にはいくつかの共通した特徴が見られることがあります。
この記事では、つわりになりやすい人の特徴を体質や生活習慣などの観点からまとめたセルフチェックリストや、症状を和らげるための対処法について解説します。
つわりになりやすい人に共通する特徴はあるの?
つわりの明確な原因は医学的に特定されていませんが、妊娠によって引き起こされるホルモンバランスの急激な変化が大きく関わっていると考えられています。
特に、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの分泌量が増えることが、吐き気などの症状を誘発するといわれています。また、自律神経の乱れや精神的なストレスも、つわりの症状を悪化させる一因とされます。そのため、もともとの体質や生活習慣、妊娠の状況によって、つわりの症状の出やすさに違いが見られることがあります。
【セルフチェック】あなたはいくつ当てはまる?つわりになりやすい人の特徴リスト
ここで紹介するチェックリストは、つわりになりやすいといわれる人の傾向をまとめたものです。
医学的に必ずつわりが重くなると証明されたものではなく、あくまで目安として参考にしてください。
多く当てはまるからといって過度に心配する必要はありませんが、ご自身の体質や生活習慣を見直すきっかけとして活用してみましょう。
全く当てはまらなくても、つわりの症状が強く出る人もいます。
体質・遺伝に関するチェック項目
乗り物酔いのしやすさや胃腸の働き、ホルモンバランスへの敏感さといった、もともと持っている体質もつわりの症状に影響を与えることがあります。
また、血縁者の体質が似ていることから、母親や姉妹の経験が参考になる場合もあります。
遺伝的な要因が直接関係するかは明確ではありませんが、体質が似ることでつわりの傾向も似る可能性があると考えられています。
乗り物酔いをしやすいなど三半規管が弱い
乗り物酔いは、体の平衡感覚を司る三半規管が刺激されることで生じる自律神経の反応です。
つわりの吐き気も自律神経の乱れが関係していると考えられており、メカニズムが似ている部分があります。
そのため、普段から乗り物酔いをしやすい人は、妊娠によるホルモンバランスの変化で自律神経が不安定になった際に、吐き気などの症状を感じやすい傾向があります。
もともと胃腸が弱い・便秘がちである
普段から胃もたれしやすかったり、胃腸の働きが活発でなかったりする人は、つわりの症状が出やすい傾向があります。
妊娠すると、ホルモンの影響で消化器官の動きが鈍くなり、食べ物が胃に停滞しやすくなるため、吐き気やムカムカ感が増すことがあります。
また、妊娠中は便秘にもなりやすく、腸内環境の悪化が吐き気を助長させる一因にもなります。
生理痛が重いなどホルモンバランスの変化に敏感
つわりの主な原因は妊娠によるホルモンバランスの急激な変化です。
そのため月経周期におけるホルモン変動によって重い生理痛や月経前症候群(PMS)の症状が現れやすい人は妊娠時のホルモン変化にも敏感に反応しつわりの症状が強く出る傾向があるといわれています。
普段からホルモンの影響を受けやすい体質だと自覚している場合はその可能性があります。
母親や姉妹のつわりが重かった
つわりが直接遺伝するという医学的な根拠はありませんが、親子や姉妹では顔や体格が似るように、体質も似ることがあります。
ホルモンバランスの変化に対する体の反応の仕方や、胃腸の強さといった体質が似ていることで、結果的につわりの症状の重さも近くなる傾向が見られます。
あくまで傾向の一つであり、必ずしも同じ症状が出るとは限りません。
生活習慣・環境に関するチェック項目
日々の過ごし方や精神的な状態も、つわりの症状に影響を与えることがあります。
ストレスや睡眠不足、食生活の乱れは自律神経のバランスを崩しやすく、つわりの症状を悪化させる原因となり得ます。
また、運動不足や体の冷えも、血行不良を招き、さまざまな不調を引き起こす要因となるため、注意が必要です。
ストレスを感じやすい・真面目な性格
精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、吐き気や胃の不快感といったつわりの症状を悪化させる一因となります。
特に、真面目で完璧主義な性格の人は、妊娠や出産、育児に対する不安やプレッシャーを強く感じやすく、無意識のうちにストレスを溜め込んでしまうことがあります。
心身の緊張状態が続くと、つわりの症状がより強く感じられる場合があります。
睡眠不足や不規則な食生活を送っている
睡眠不足や食事の時間がバラバラといった不規則な生活は、自律神経の乱れに直結します。
自律神経が乱れると、体温調節や消化機能がうまく働かなくなり、つわりの症状が悪化しやすくなります。
特につわり中は空腹になると血糖値が下がり、吐き気が強くなる傾向があるため、食事を抜いたり不規則になったりすると、症状をコントロールしにくくなります。
体を動かす習慣がなく、冷え性である
普段から運動習慣がなく、血行が滞りがちな人は、体が冷えやすい傾向にあります。
体の冷えは万病のもとといわれるように、胃腸の働きを鈍らせたり、自律神経のバランスを崩したりする原因となります。
血行不良の状態では、つわりによる吐き気やだるさといった不快な症状がさらに強まる可能性があります。
適度な運動は気分転換にもつながります。
妊娠の状況に関するチェック項目
つわりの重さには、妊娠そのものの状態が影響することもあります。
特に、体内で分泌されるホルモンの量は、つわりの症状の強さと関連があると考えられています。
そのため、ホルモン分泌が多くなるような特定の妊娠状況では、つわりが重くなる傾向が見られます。
これは、体質や生活習慣とは異なる、妊娠に起因する要因です。
双子など多胎妊娠である
つわりの原因とされるhCGホルモンは胎盤のもとになる絨毛組織から分泌されます。
双子などの多胎妊娠の場合胎盤が複数形成されるかまたは大きくなるため単胎妊娠に比べてhCGホルモンの分泌量が格段に多くなります。
このホルモン量がつわりの症状の強さに比例すると考えられているため多胎妊娠の人はつわりが重症化しやすい傾向にあります。
もしかしてつわり?妊娠初期にあらわれる主な症状をチェック
つわりと聞くと吐き気をイメージする人が多いですが、実際にはさまざまな症状があります。
吐き気や嘔吐以外にも、においに敏感になったり、異常な眠気に襲われたり、食の好みが極端に変わったりすることも少なくありません。
「なんとなく体調が悪い」と感じていたものが、実はつわりの始まりだったというケースもあります。
ここでは、妊娠初期にみられる代表的なつわりの症状を紹介します。
吐き気や嘔吐、胃のムカムカが続く
つわりの最も代表的な症状が、吐き気や嘔吐です。
乗り物酔いに似た胃のムカムカ感が一日中続いたり、時間帯に関係なく突然吐き気に襲われたりします。
特に、朝の空腹時に症状が強く出る「モーニングシックネス」として知られていますが、実際には昼夜を問わず起こります。
食べ物の消化が悪くなるため、食後に症状が悪化する人もいます。
特定のにおいが急に不快になる(においつわり)
妊娠すると嗅覚が非常に敏感になり、これまで好きだった香りや気にならなかったにおいが、突然不快に感じられることがあります。
特に、ご飯が炊けるにおいや炒め物の湯気、コーヒー、香水、柔軟剤といった日常的なにおいで吐き気を催すのが特徴です。
マスクを着用したり、柑橘系の香りで気分転換を図ったりするなどの対策が必要になる場合があります。
食の好みが大きく変わる(食べつわり)
常に何かを口にしていないと気持ち悪くなる状態を「食べつわり」と呼びます。
空腹になると吐き気が強まるため、頻繁に食事をとる必要があります。
一方で、特定の物しか受け付けなくなったり、これまで苦手だったものを無性に食べたくなったりと、食の好みが大きく変わるのも特徴です。
フライドポテトや炭酸飲料など、普段は控えているようなものを欲するケースもよく見られます。
とにかく眠くてだるい(眠りつわり)
妊娠初期は、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの分泌量が増加します。
このホルモンには眠気を誘う作用があるため、日中でも強い眠気に襲われたり、体を動かすのが億劫になるほどの倦怠感が続いたりします。
仕事や家事に集中できず、いくら寝ても眠い状態が続くこともあります。
これは、体が妊娠状態を維持するために休息を求めているサインでもあります。
唾液の量が増える(よだれつわり)
妊娠によるホルモンの影響や自律神経の乱れから、唾液の分泌量が通常より増えることがあります。
自分の唾液を飲み込むこと自体に不快感や吐き気を覚え、絶えず口の中に唾液が溜まっている状態になります。
そのため、頻繁に唾液を吐き出す必要があり、外出時にティッシュやペットボトルが手放せなくなる人もいます。
不快感が強く、精神的なストレスにつながることもあります。
つわりにまつわる噂のウソ?ホント?
つわりに関しては、古くからの言い伝えや科学的根拠のない俗説が数多く存在します。
「赤ちゃんの性別で重さが変わる」といった話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、これらの噂の多くは医学的に証明されたものではありません。
ここでは、多くの妊婦さんが気になるつわりにまつわる噂について、現在の医学的な見解を基に解説します。
母親のつわりが重いと遺伝するって本当?
母親と娘では体質が似ることがあるため、つわりの重さや症状の出方も似る傾向はあります。
しかし、つわりそのものが遺伝するという医学的な証拠はありません。
食生活や生活リズム、ストレス環境といった要因もつわりの重さに関係するため、母親のつわりが重かったからといって、必ずしも自分も同じようになるとは限りません。
あくまで参考程度と捉えるのがよいでしょう。
痩せ型や太り気味など体型は関係ある?
痩せている人はつわりが重い、太っている人は軽い、など体型とつわりの重さを関連付ける噂がありますが、これらに医学的・科学的な根拠はありません。
つわりの症状の現れ方は、ホルモンバランスの変化に対する体の反応や自律神経の状態、心理的な要因などが複雑に絡み合って決まります。
そのため、個人の体型によってつわりの重さが左右されることはないと考えられています。
つらい症状を少しでも和らげるための対処法
つわりを根本的になくす特効薬はありませんが、日常生活の過ごし方を少し工夫することで、つらい症状を和らげることは可能です。
我慢しすぎず、自分に合った方法を見つけて試してみることが大切です。
ここでは、多くの人が実践して効果を感じやすい、代表的なセルフケアの方法をいくつか紹介します。
無理のない範囲で、日々の生活に取り入れてみてください。
食事を小分けにして空腹状態を避ける
空腹になり血糖値が下がると、吐き気が強くなる傾向があります。
これを防ぐためには、1回の食事量を減らし、食事の回数を1日5~6回に増やす「分食(ちょこちょこ食べ)」が効果的です。
おにぎりやクラッカー、ゼリーなど、手軽に口にできるものを常に用意しておくと安心です。
特に症状が出やすい朝は、ベッドから起き上がる前に何か少しでもお腹に入れると、吐き気が和らぐことがあります。
体を冷やさないように服装や飲み物を工夫する
体が冷えると血行が悪くなり、胃腸の働きが低下したり自律神経が乱れたりして、つわりの症状が悪化することがあります。
夏場の冷房対策はもちろん、年間を通じて腹巻きや靴下、レッグウォーマーなどを活用し、お腹や足首を冷やさないように心がけましょう。飲み物は冷たいものを避け、常温や温かいものを選ぶと、内臓から体を温めることができ、不快な症状の緩和につながります。
無理せず休息をとりストレスを溜めない
つわりの時期は心身ともに非常に疲れやすくなっています。
だるさや眠気を感じたらそれは体が休息を必要としているサインです。
家事や仕事は完璧にこなそうとせず周囲の理解と協力を得ながらできるだけ横になる時間を確保しましょう。
リラックスできる環境を整えストレスを溜めないように過ごすことがつわりの症状を悪化させないために非常に重要です。
気分転換になることを見つけて試してみる
つらい症状のことばかり考えていると、気分も滅入りがちになります。
体調が良い時間帯を見つけて、少しでも気分が晴れることを試してみましょう。
好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、動画を観たりするのもよい方法です。
また、短時間の散歩は血行を促進し、リフレッシュ効果も期待できます。
自分の好きな香りのアロマをたくなど、五感を使って気分を切り替える工夫も有効です。
つらい時は我慢しないで!病院を受診すべき症状の目安
ほとんどのつわりは生理的な現象ですが、症状が重症化すると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という治療が必要な状態になることがあります。
これは、単なるつらい症状ではなく、母体の健康に影響を及ぼす病的な状態です。
例えば、水分を全く受け付けず、1日に何度も嘔吐を繰り返す、尿の回数が極端に減った、妊娠前から体重が5%以上減少した、といった症状が見られる場合は、我慢せずにすぐにかかりつけの産婦人科を受診してください。
点滴による水分や栄養の補給が必要になる場合があります。
つわりに関するよくある質問
つわりは多くの妊婦が経験するものの、個人差が大きいため、さまざまな疑問や不安が生じやすいものです。
ここでは、つわりに関して特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
自分の状態と比べたり、今後の見通しを立てたりする際の参考にしてください。
ただし、症状には個人差があることを念頭に置いておきましょう。
Q1. 逆につわりが全くないのは問題ありますか?
つわりの症状が全くない、あるいは非常に軽い場合でも、何ら問題はありません。
つわりの有無や軽重は個人差が非常に大きく、妊婦さん全体の約2~3割はほとんどつわりを経験しないといわれています。
つわりがないからといって、赤ちゃんが元気に育っていないのではないかと心配する必要はなく、むしろ妊娠期間を快適に過ごせる幸運なケースと捉えてください。
Q2. つわりの症状はいつから始まって、いつ頃終わりますか?
一般的に、つわりは妊娠5~6週頃から始まり、胎盤が完成に近づく妊娠12~16週頃には自然と落ち着くことが多いです。
症状のピークは妊娠8~11週頃といわれています。
ただし、これはあくまで目安であり、症状の始まりや終わりの時期には大きな個人差があります。
中には出産間近まで症状が続く人もいれば、一度治まってからぶり返す人もいます。
Q3. つわりの重さと赤ちゃんの性別に関係はありますか?
お腹の子が女の子だとつわりが重くなる、といった俗説を耳にすることがありますが、つわりの重さと赤ちゃんの性別に関係があるという医学的・科学的な根拠は現在のところありません。
つわりの症状は、妊婦さん自身の体質やホルモンバランス、精神状態など、さまざまな要因が影響して決まるものであり、胎児の性別によって左右されるものではないと考えられています。
まとめ
つわりになりやすい人の特徴として、乗り物酔いしやすい体質やストレスを溜めやすい性格などが挙げられますが、これらはあくまで傾向であり、医学的に証明されたものではありません。
セルフチェックの結果は参考程度にとどめ、過度に心配しないことが大切です。
つわりの症状や重さ、期間は人それぞれで、全く当てはまらなくても症状が重い人もいます。
つらい時期は無理をせず、食事や生活習慣を工夫しながら休息を十分にとりましょう。
水分も摂れないほど症状が重い場合は、我慢せずに産婦人科へ相談してください。
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