自律神経を整えるツボ一覧|頭・首・耳・手・足裏の場所と簡単な押し方
自律神経を整えるツボはどこにあるのか、具体的な場所や押し方を知りたいと感じていませんか。
ストレスや不規則な生活で乱れがちな自律神経は、頭痛、不眠、疲労感など、様々な不調を引き起こします。
特に女性はホルモンバランスの影響で自律神経失調症になりやすい傾向があります。
この記事では、自律神経を整えるツボを頭、首、耳、手、足裏といった部位ごとに紹介します。
自宅や職場で簡単にできるセルフケアを取り入れて、心身のバランスを整えましょう。
まずは知っておきたい自律神経が乱れる原因とサイン
自律神経の乱れを整えるには、まずその原因と体からのサインを知ることが第一歩です。
自律神経は、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経がバランスを取りながら、私たちの意思とは関係なく内臓や血流などをコントロールしています。
しかし、過度なストレス、不規則な生活、ホルモンバランスの変化などが原因でこのバランスが崩れると、イライラ、うつ、めまい、頭痛、不眠といった心身の不調が現れます。
心と体は密接な繋がりがあるため、これらのサインを見逃さず、早めに対処することが自律神経を整える上で重要です。
【頭・首・耳】にある自律神経を整えるツボ
頭部や首、耳の周辺には、自律神経のバランスを調整するツボが数多く存在します。
これらの部位は、ストレスや緊張の影響を受けやすく、筋肉のこりや血行不良が起こりがちです。
特にデスクワークやスマートフォンの長時間利用で酷使される首や目は、疲労が蓄積しやすい箇所です。
頭や首にあるツボを刺激することで、頭部への血流が促進され、リラックス効果が高まります。
これから紹介するツボを日々のセルフケアに取り入れて、心身の緊張を和らげましょう。
百会(ひゃくえ):ストレスや不眠に効く万能ツボ
百会は頭のてっぺん、左右の耳の穴を結んだ線と眉間の中心から頭頂部へ上がった線が交差する場所にあります。
名前の通り「百(多く)のエネルギーが会う(交わる)」場所とされ、自律神経のバランスを整える万能のツボとして知られています。
特に、ストレス、不眠、頭痛、めまい、耳鳴りなど、頭部の様々な症状の緩和に効果的です。
押し方は、両手の中指を重ねてツボに当て、心地よいと感じる強さで体の中心に向かって垂直に押します。
深呼吸をしながら5秒ほどかけてゆっくり押し、ゆっくり離す動作を数回繰り返すと良いでしょう。
特に夜、寝る前に行うと心身がリラックスし、質の良い睡眠につながります。
天柱(てんちゅう):首こりや眼精疲労を和らげる
天柱は首の後ろにある太い2本の筋肉の外側、髪の生え際あたりにあるくぼみに位置します。
頭を支える重要な筋肉の近くにあるため、首こりや肩こり、眼精疲労の緩和に非常に効果的です。
また、後頭部への血流を促進するため、緊張型頭痛を和らげる働きも期待できます。
天柱を押す際は、両手の親指をツボに当て、他の指で頭を支えるようにしながら、頭の中心に向かって押し上げるように刺激します。
息を吐きながら5秒ほど圧を加え、吸いながら緩める動作を繰り返しましょう。
長時間同じ姿勢で作業をした後など、首周りの緊張を感じた時に試してみてください。
風池(ふうち):頭痛やめまいをスッキリさせる
風池は、天柱から指1本分ほど外側にあるくぼみに位置するツボです。
首の骨と耳の後ろの骨の間にあり、後頭部の血行を促進する働きがあります。
このツボを刺激することで、頭痛やめまい、眼精疲労、鼻づまりといった症状の緩和が期待できます。
また、風邪のひきはじめに見られる首筋のこわばりや悪寒を和らげる効果もあるとされています。
押し方は天柱と同様に、両手の親指をツボに当て、頭を支えながら中心に向かって押し上げるように刺激します。
頭全体が重く感じるときや、視界をスッキリさせたいときに、深呼吸をしながらゆっくりと押すと効果的です。
【手・腕】にある自律神経を整えるツボ
手や腕には、日常生活の中で手軽に刺激できる自律神経を整えるツボが集中しています。
手のツボの利点は、場所を選ばず、仕事の合間や移動中でも気軽に押せることです。
特に手首や指の付け根、腕には、精神的な緊張を和らげたり、内臓の働きを整えたりする効果が期待できる重要なツボが存在します。
これから紹介するツボを覚えておけば、ストレスや疲れを感じた時にすぐセルフケアを行うことが可能です。
合谷(ごうこく):肩こりやイライラを鎮める
合谷は手の甲側で親指と人差し指の骨が交わる付け根の手前にあるくぼみに位置します。
数あるツボの中でも万能ツボとして非常に有名で幅広い症状に対応します。
特に肩こり、頭痛、歯の痛みといった痛みの緩和に効果を発揮します。
また精神的なストレスやイライラを鎮め気分を落ち着かせる作用も期待できます。
押し方は反対の手の親指を合谷に当て人差し指の骨の際に向かって押し込むように「イタ気持ちいい」と感じる強さで刺激します。
息を吐きながらゆっくり5秒ほど押し、息を吸いながら緩める動作を繰り返すと良いでしょう。
労宮(ろうきゅう):心の緊張をほぐしリラックス
労宮は、手のひらの中央に位置するツボです。
場所を見つけるには、手を軽く握り、中指と薬指の先端が手のひらに当たる中間あたりを探します。
労宮は「心労の宮殿」という意味を持ち、心に関わる不調を和らげる効果があるとされています。
精神的なストレスや緊張、不安、動悸などを感じた時にこのツボを刺激すると、高ぶった神経が静まり、リラックスできます。
押し方は、反対の手の親指をツボに当て、息を吐きながらゆっくりと圧をかけます。
プレゼンテーションの前など、緊張する場面で押すと心を落ち着かせる助けになります。
神門(しんもん):不安な気持ちや動悸を抑える
神門は、手首の内側にある横じわの上、小指側の少しくぼんだ部分にあります。
精神的な活動を司る「心」の経絡に属しており、その名の通り「精神の門」を意味する重要なツボです。
神門を刺激することで、不安感や焦り、イライラといった感情の高ぶりを鎮め、心を穏やかにする効果が期待できます。
また、不眠や動悸、物忘れの改善にも役立ちます。
押し方は、反対の手の親指の先で、手首の骨の内側に向かってゆっくりと圧を加えます。
寝つきが悪い夜や、気持ちが落ち着かない時に、深呼吸をしながら刺激すると良いでしょう。
内関(ないかん):吐き気や二日酔いを楽にする
内関は、手首の内側の横じわから、指3本分ひじ側に進んだところにある2本の太い腱の間に位置します。
内関(ないかん)は、消化器系の不調に効果的なツボとして知られています。
特に、吐き気や胃のむかつき、乗り物酔い、二日酔い、つわりの症状を和らげる働きがあります。
自律神経の乱れが原因で起こる胃の不快感にも有効です。
押し方は、反対の手の親指をツボに当て、腱の間に向かって垂直に、少し強めに押します。
息を吐きながら5秒ほど押し、吸いながら緩める動作を数回繰り返すと、不快な症状が楽になります。
【足・足裏】にある自律神経を整えるツボ
「第二の心臓」とも呼ばれる足には、全身の健康状態を反映し、自律神経のバランスを整える上で重要なツボが数多く集まっています。
特に足裏への刺激は、全身の血行を促進し、冷えやむくみ、疲労感を改善する効果が期待できます。
足のツボをケアすることは、体の土台を整え、心身の安定に繋がります。
お風呂上がりなど、体が温まっている時にリラックスしながら刺激するのがおすすめです。
太衝(たいしょう):感情の高ぶりやのぼせに
太衝は、足の甲にあり、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみに位置します。
合谷の足バージョンとも言える万能ツボで、特に自律神経の中でも感情のコントロールに関わる「肝」の経絡に属しています。
そのため、ストレスによるイライラや怒り、感情の高ぶりを鎮めるのに効果的です。
また、気の巡りを良くすることで、頭に血が上ったようなのぼせや、それに伴う頭痛、めまい、目の充血といった症状を和らげます。
押し方は、親指で骨の間に向かって、少し痛みを感じる程度にゆっくりと押し込むように刺激します。
5秒ほど押して離す動作を数回繰り返しましょう。
湧泉(ゆうせん):体の冷えやだるさを改善
湧泉は、足の裏の土踏まずのやや上、中央あたりに位置します。
足の指を内側に曲げたときに、最もくぼむ部分が目安です。
「生命エネルギーが泉のように湧き出る」という意味を持つこのツボは、疲労回復や滋養強壮に効果があるとされ、万能ツボの一つとして知られています。
全身の血行を促進するため、体の冷えやむくみの改善、だるさの解消に役立ちます。
また、腎臓の働きを高め、体内の水分バランスを整える効果も期待できます。
両手の親指を重ねてツボに当て、息を吐きながらゆっくりと3〜5秒かけて押し、息を吸いながら緩める動作を繰り返します。
足三里(あしさんり):胃腸の働きをサポートする
足三里は、膝のお皿のすぐ下、外側にあるくぼみから指4本分下にあります。
胃腸の働きを整える代表的なツボとして古くから知られており、松尾芭蕉が旅の疲れを癒すために利用したことでも有名です。
食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢など、お腹の不調全般の改善に効果が期待できます。
また、全身の気力を高め、足の疲れやだるさを和らげる作用もあります。
椅子に座った姿勢で、親指または中指を使って、心地よいと感じる強さで垂直に押します。
5秒ほど押してゆっくり離す動作を数回繰り返すと、胃腸の働きが活発になります。
効果アップ!自律神経に効くツボの正しい押し方と3つのコツ
自律神経を整えるツボの効果を最大限に引き出すためには、ただ闇雲に押すのではなく、いくつかのコツを押さえることが重要です。
正しい方法でツボを刺激することで、セルフマッサージの効果は格段に上がります。
自分では手が届きにくい背中などの部位や、より深いアプローチを求める場合は、鍼灸院で専門家による鍼やお灸の施術を受けるのも一つの方法です。
ここでは、自宅で誰でも簡単に実践できる、効果的なツボの押し方の基本ポイントを3つ紹介します。
「イタ気持ちいい」強さでゆっくり押して離す
ツボを押す際の力加減は、「痛いけれど気持ちいい」と感じる程度が最適です。
強すぎる刺激は、筋肉の繊維を傷つけたり、防御反応で体が緊張してしまったりする原因となります。
逆に弱すぎても十分な効果は得られません。
親指や中指の腹を使い、ツボに対して垂直に圧をかけることを意識しましょう。
息を吐きながら3〜5秒かけてゆっくりと圧を加え、息を吸いながら同じ時間をかけてゆっくりと力を抜きます。
この一連の動作を、1つのツボにつき5〜10回程度繰り返すのが基本的な方法です。
爪を立てず、指の腹で優しく、しかし的確に刺激を与えることがポイントです。
深呼吸しながらリラックスした状態で行う
ツボ押しは、心身がリラックスした状態で行うことで、効果が高まります。
体が緊張していると筋肉が硬くなり、刺激が深部まで届きにくくなるからです。
特におすすめなのは、血行が良くなっている入浴後です。
また、ツボ押し中は呼吸を止めないように注意してください。
鼻からゆっくり息を吸い込み、口から細く長く吐き出す腹式呼吸を意識すると、副交感神経が優位になりやすくなります。
息を吐くタイミングでツボを押し、息を吸うタイミングで力を緩めるというリズムを合わせることで、リラックス効果が深まり、自律神経のバランスが整いやすくなります。
刺激した後は水分補給を忘れずに
ツボ押しやマッサージを行った後は、コップ1杯程度の水分を摂ることを心がけましょう。
ツボを刺激すると血行が促進され、体内に溜まっていた老廃物が血液中に流れ出しやすくなります。
このタイミングで水分を補給することで、血液の流れがさらにスムーズになり、老廃物が尿として体外へ排出されるのを助けます。
飲むものは、体を冷やさないように白湯や常温水が最適です。
利尿作用のあるコーヒーや緑茶、アルコール飲料は水分補給の観点からは適していません。
ツボ押しと水分補給をセットで行うことで、体内のデトックス効果を高めることができます。
ツボ押しと合わせたい!乱れた自律神経を整える生活習慣
自律神経の乱れは日々の生活習慣が大きく影響しているため、ツボ押しによる対症療法と並行して、生活そのものを見直すことが根本的な改善に繋がります。
ツボ押しは不調を和らげる有効な手段ですが、それだけで全てが解決するわけではありません。
ここでは、ツボ押しと合わせて取り入れたい、自律神経のバランスを整えるための生活習慣を紹介します。
1日5分からでも始められる簡単なことから、少しずつ意識して変えていくことが大切です。
毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴びる
自律神経のバランスを整える上で、規則正しい生活リズムの確立は非常に重要です。
特に、毎朝決まった時間に起床し、太陽の光を浴びる習慣は、乱れた体内時計をリセットするのに効果的です。
朝日を浴びると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が止まり、代わりに心身を覚醒させるセロトニンの分泌が活発になります。
これにより、交感神経がスムーズに働き始め、一日を活動的にスタートできます。
休日も平日と大きく起床時間を変えず、一定のリズムを保つことが、自律神経の安定に繋がります。
まずはカーテンを開けて、自然光を部屋に取り入れることから始めてみましょう。
38〜40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かる
一日の終わりには、リラックスモードへ切り替えるための入浴習慣が効果的です。
熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、体を興奮させてしまうため、38〜40℃程度のぬるめのお湯に設定しましょう。
そこに15分ほどゆっくりと浸かることで、副交感神経が優位になり、心身の緊張がほぐれます。
体が深部から温まることで血行が良くなり、疲労物質の排出も促進されます。
就寝の1〜2時間前に入浴を済ませておくと、その後、体温が自然に下がっていく過程でスムーズな入眠が期待できます。
忙しい日でもシャワーで済ませず、湯船に浸かる時間を作ることが質の良い睡眠に繋がります。
適度な運動で心と体をリフレッシュする
体を動かすことは、ストレス解消や血行促進に繋がり、自律神経の機能を正常に保つために欠かせません。
ウォーキング、軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなど、心地よいと感じられる程度の有酸素運動を習慣にしましょう。
運動をすることで、幸福感をもたらす神経伝達物質セロトニンが分泌され、気分が前向きになります。
ただし、夜間の激しい運動は交感神経を刺激し、寝つきを悪くする可能性があるため、日中や夕方に行うのがおすすめです。
まとまった時間が取れなくても、一駅分歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で意識的に体を動かす機会を増やすことから始められます。
まとめ
自律神経の乱れからくる心身の不調は、日々のストレスや不規則な生活習慣が積み重なって生じます。
この記事で紹介した頭、手、足などにあるツボは、特別な道具も必要なく、いつでもどこでも実践できる手軽なセルフケア方法です。
ツボを押す際は「イタ気持ちいい」強さを意識し、リラックスした状態で深呼吸をしながら行うことが効果を高めます。
さらに、ツボ押しと並行して、朝日を浴びる、ぬるめの湯船に浸かる、適度な運動を取り入れるといった生活習慣の見直しを行うことで、より根本的な改善が期待できます。
これらのケアを続けても不調が改善しない場合は、専門の医療機関に相談することも検討してください。







