妊娠中期に入り、多くの妊婦が胃痛や胃の不快感を経験します。
お腹の赤ちゃんが順調に育っている証拠ともいえますが、つらい症状は少しでも和らげたいものです。
この記事では、妊娠中期の胃痛の主な原因と、日常生活で試せる対処法を解説します。
また、自己判断で薬を飲むことの危険性や、病院を受診すべき危険な症状についても触れていきますので、不安を感じている方の参考になれば幸いです。
妊娠中期のつらい胃痛、原因は?多くの妊婦さんが経験します
妊娠中期に起こる胃痛は、多くの妊婦が経験する症状の一つです。
SNSやブログなどの体験談でも、胃の痛みや不快感に悩まされたという声がよく見られます。
この時期の胃痛は、つわりが落ち着いた後に現れることもあり、「なぜ今頃?」と不安になるかもしれません。
しかし、これは妊娠に伴う体の自然な変化が原因で起こることがほとんどです。
決して珍しいことではないため、過度に心配しすぎず、まずは原因を理解することが大切です。
妊娠中期に胃が痛くなる主な4つの原因
妊娠中期の胃痛は、単一の原因ではなく、妊娠期特有の複数の要因が絡み合って生じます。
お腹の赤ちゃんの成長に伴う物理的な変化や、ホルモンバランスの変動が大きく影響します。
これにより、食後に胃もたれを感じたり、空腹時に胃のむかつきが起きたり、お腹の張りと一緒に胃が痛むなど、さまざまな症状が現れます。
ここでは、胃痛を引き起こす代表的な4つの原因について詳しく見ていきましょう。
大きくなった子宮が胃を物理的に圧迫する
妊娠中期になると、胎児の成長とともに子宮が急速に大きくなり、みぞおちのあたりまでせり上がってきます。
この大きくなった子宮が、すぐ上にある胃を物理的に押し上げることで、胃が圧迫されてしまいます。
その結果、胃の容量が小さくなり、少し食べただけでも満腹感や圧迫感、痛みを感じやすくなります。
また、胃の動き自体も制限されるため、消化がスムーズに進まなくなることもあります。
特に食後にお腹の張りと共に胃の不快感を覚える場合は、この物理的な圧迫が原因である可能性が高いです。
ホルモンバランスの変化で消化不良が起こりやすくなる
妊娠中は「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が活発になります。
このホルモンには妊娠を維持するために子宮の筋肉を緩める働きがありますが、同時に胃や腸など全身の平滑筋にも作用します。
その影響で胃腸の蠕動運動が鈍くなり、食べたものが胃の中に停滞しやすくなります。
消化に時間がかかるため、胃もたれや消化不良、胃のむかつきといった不快な症状が起こりやすくなるのです。
これが妊娠中に消化機能が低下するといわれる主な理由です。
胃酸が食道に逆流して胸焼けのような痛みが出る
ホルモンバランスの変化は、胃と食道のつなぎ目にある「下部食道括約筋」という筋肉も緩ませます。
この筋肉は、胃の内容物が食道へ逆流するのを防ぐ蓋のような役割を担っています。
しかし、この働きが弱まることに加え、大きくなった子宮に胃が圧迫されることで、胃酸が食道に逆流しやすくなります。
これにより、食道の粘膜が刺激され、胸のあたりが焼けるように痛む「胸焼け」や、キリキリとした痛みが生じます。
特に食後や横になったときに症状が出やすいのが特徴です。
便秘によって胃腸全体の働きが鈍くなる
妊娠中は、ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなることや、大きくなった子宮が腸を圧迫することで便秘になりやすい状態です。
腸内に便が溜まると、腸の働きがさらに悪化し、お腹が張って苦しくなります。
この腸の不調が、胃の働きにも影響を及ぼすことがあります。
腸がうまく機能しないことで、食べ物が胃から腸へスムーズに送られなくなり、結果として胃もたれや胃痛を引き起こす一因となります。
胃の不快感とともに便秘の症状もある場合は、腸内環境を整えることも重要です。
今日から試せる!妊娠中期の胃痛を和らげる5つのセルフケア
妊娠中期のつらい胃痛は、日々の少しの工夫で緩和できる場合があります。
薬に頼る前に、まずは生活習慣を見直してみましょう。
食事のとり方や内容、姿勢などを意識するだけで、胃への負担を軽減し、症状の改善が期待できます。
ここでは、今日からすぐに実践できる5つのセルフケアをご紹介します。
自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
つらい症状の緩和や、胃痛の予防的な対処法として役立ちます。
胃に負担をかけない消化の良い食べ物を選ぶ
妊娠中は胃の消化機能が低下しているため、食事の内容を見直すことが重要です。
脂肪分の多い揚げ物や肉類、刺激の強い香辛料、カフェインを多く含む飲み物などは、胃に負担をかけるため避けた方がよいでしょう。
代わりに、おかゆやよく煮込んだうどん、豆腐、白身魚、鶏のささみ、卵、バナナなど、消化の良い食べ物を中心とした食事を心がけてください。
野菜は、火を通すことで消化しやすくなります。
胃の調子が悪いときは、温かくて柔らかい食べ物を選び、胃を休ませてあげましょう。
食事は一度にたくさん食べず、数回に分けてとる
子宮に圧迫されて容量が小さくなっている胃に、一度にたくさんの食事を詰め込むと、胃痛や胃もたれ、逆流を引き起こしやすくなります。
これを防ぐためには、1日の食事の総量は変えずに、食事の回数を増やす「分割食」が効果的です。
例えば、これまで3回だった食事を、5~6回に分けて、1回あたりの量を減らしてみましょう。
こうすることで、胃への負担を一度にかけすぎず、消化を助けることができます。
特に、空腹を感じると胃が痛みやすい人も、こまめな食事で胃が空になる時間を減らせます。
食べた後すぐに横になるのは避けて胃酸の逆流を防ぐ
食後すぐに横になると、胃の入り口が緩んでいるため胃酸が食道に逆流しやすくなります。
胃痛や胸焼けを防ぐため、食後2〜3時間は座ったり、軽い散歩をしたりして、体を起こした状態を保つように心がけてください。
夜寝る時も、食事は就寝の3時間前までに済ませておくのが理想です。
就寝時の寝方としては、クッションや折りたたんだタオルケットを背中に当て、上半身を少し高くすると胃酸の逆流が起こりにくくなります。
完全に仰向けで寝るよりも、少し角度をつけることで症状が和らぐ場合があります。
お腹を締め付けないゆったりとした服装を心がける
大きくなったお腹を締め付ける服装は、胃への圧迫をさらに強め、胃痛や不快感の原因となります。
ウエストがゴムになっているスカートやパンツ、ワンピース、マタニティ専用のウェアなど、腹部を圧迫しないゆったりとしたデザインの服を選びましょう。
下着も、マタニティ用のものを使用すると快適に過ごせます。
体を締め付けから解放することで、血行が良くなり、リラックス効果も期待できます。
ファッションを楽しみながら、体への負担が少ない服装を心がけることが大切です。
体を温めてリラックスできる時間をつくる
精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、胃腸の働きを低下させる原因の一つです。
特に仕事や家庭環境の変化など、妊娠中はストレスを感じやすい時期でもあります。
意識的にリラックスできる時間を作り、心身の緊張をほぐしましょう。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かったり、温かいノンカフェインの飲み物を飲んで体を内側から温めたりするのも効果的です。
軽いストレッチや散歩なども気分転換になります。
ストレスを上手に管理することが、胃の不調を和らげることにもつながります。
胃痛の薬は飲んでもいい?自己判断で市販薬を飲むのは危険
セルフケアを試しても胃痛が改善しない場合、薬の服用を考えたくなるかもしれません。
しかし、妊娠中の薬の使用は、お腹の赤ちゃんへの影響を考慮し、非常に慎重に行う必要があります。
ドラッグストアで手軽に購入できる市販薬であっても、自己判断で服用することは避けるべきです。
ここでは、妊娠中の胃薬の服用に関する注意点と、正しい対処法について解説します。
つらい症状を我慢する必要はありませんが、安全な方法を選択することが何よりも重要です。
妊娠中に服用できる胃薬は医師への相談が必須
妊娠の週数や母体の状態によっては、安全に使用できると判断される胃薬も存在します。
しかし、どの薬が適切であるかの判断は、専門的な知識を持つ医師にしかできません。
つらい胃痛を我慢し続ける必要はなく、まずはかかりつけの産婦人科医に相談してください。
医師は診察の上、症状の原因を特定し、妊娠中でも安全性が比較的高いとされる胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜を保護する薬などを処方してくれます。
自分の症状を正確に伝え、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。
市販薬を検討する際も、まずはかかりつけ医に確認しよう
市販薬の中には、妊娠中でも使用できるとされているものもありますが、配合されている成分によっては、胎児に影響を及ぼす可能性が否定できないものも含まれています。
パッケージの注意書きを読むだけでは、そのリスクを正確に判断することは困難です。
もし、どうしても市販薬を使用したいと考える場合でも、購入前に必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
服用を検討している薬の商品名や成分を伝え、使用しても問題がないか専門家の確認を得ることが、母体と赤ちゃんの安全を守るために不可欠です。
こんな症状はすぐに病院へ!受診を検討すべき危険なサイン
妊娠中期の胃痛の多くは、妊娠に伴う生理的な変化によるものですが、中には病気が隠れている可能性もあります。
セルフケアで様子を見てもよい症状と、すぐに医療機関を受診すべき危険なサインを見分けることが重要です。
特に、急な胃痛や、痛み以外の症状(嘔吐、下痢、吐き気など)を伴う場合は注意が必要です。
我慢できないほどの激しい痛みを感じる
これまで感じたことのないような、我慢できないほどの激しい胃痛や、冷や汗が出るほどの急な胃痛が起きた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
このような痛みは、単なる消化不良や胃もたれではなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃腸炎、虫垂炎、胆石症といった消化器系の病気の可能性があります。
また、稀ではありますが、常位胎盤早期剥離といった産科的な緊急事態のサインであることも考えられます。
迷わずにかかりつけの産婦人科、または夜間・休日の場合は救急外来に連絡しましょう。
胃痛だけでなく吐き気や発熱、下痢も伴う
胃痛に加えて、何度も繰り返す嘔吐や水のような下痢、38度以上の発熱といった症状がある場合、ウイルス性胃腸炎や食中毒などが疑われます。
妊娠中は免疫力が低下しているため、これらの感染症にかかりやすくなることがあります。頻繁な嘔吐や下痢は脱水症状を引き起こしやすく、母体と胎児の両方に負担をかけるため、早めの対処が必要です。特に、食べ物や飲み物を受け付けないほどの吐き気が続く場合は、点滴による水分補給が必要になることもありますので、速やかに病院を受診してください。
痛みが長時間続いたり、頻繁に繰り返したりする
食事や生活習慣を工夫しても一向に改善しない胃痛や、痛みが数時間以上も続いたり、一日の中で何度も繰り返し起こったりする場合も、受診を検討すべきサインです。
妊娠による生理的な胃痛であれば、姿勢を変えたり、食事を工夫したりすることで多少なりとも和らぐことが多いです。
しかし、これらの対処法が全く効かず、日常生活に支障が出るほどの痛みがいつまで続くのか見通しが立たない場合、背景に何らかの疾患が隠れている可能性も考えられます。
我慢せずに医師に相談することが大切です。
どの症状でも、まずはかかりつけの産婦人科に相談しましょう
胃痛や腹部の痛みがある場合、その原因が消化器系の問題なのか、子宮の収縮など産科的な問題なのかを自分で判断するのは非常に困難です。
そのため、少しでも「おかしいな」と感じたり、不安に思ったりした場合は、まず妊婦健診を受けているかかりつけの産婦人科に電話で相談しましょう。
産婦人科医は、症状を聞き取った上で、すぐに受診が必要か、あるいは様子を見てもよいか、適切なアドバイスをしてくれます。
必要であれば、消化器内科など専門の診療科を紹介してもらえるため、自己判断で別の病院に行く前に、まずはかかりつけ医に連絡するのが最も安全で確実な方法です。
まとめ
妊娠中期の胃痛は、大きくなった子宮による圧迫やホルモンバランスの変化が主な原因であり、多くの妊婦が経験する症状です。
まずは、消化の良い食事を心がけ、食事を数回に分ける、食後すぐに横にならないといったセルフケアを試してみましょう。
症状がつらい場合でも、自己判断で市販薬を服用するのは避け、必ずかかりつけの産婦人科医に相談することが重要です。
また、我慢できないほどの激しい痛みや、発熱・嘔吐などを伴う場合は、別の病気が隠れている可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
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明生鍼灸院は、30年以上の臨床経験と7,000組以上の妊娠・出産に関わってきた実績をもとに、妊娠前だけでなく妊娠中の女性の体調変化にも丁寧に向き合ってきました。妊娠中期に起こりやすい胃痛や消化不良といった不調も、妊娠に伴う体の変化を正しく理解したうえで、一人ひとりの状態に合わせた無理のない施術を行っています。
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