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妊活の豆知識

妊活中の睡眠時間は何時間が理想?妊娠率への影響と質を高めるコツ

妊活中において、バランスの取れた食事や適度な運動と同様に、毎日の睡眠が非常に重要な役割を果たします。
睡眠は心身の回復だけでなく、妊娠に関わるホルモンバランスを整えるために不可欠です。
十分な睡眠時間を確保し、その質を高めることは、妊娠しやすい体作りの基礎となります。

この記事では、妊活と睡眠の深い関係性について解説し、睡眠の質を向上させるための具体的な方法を紹介します。

妊活成功の鍵は睡眠?妊娠率と睡眠時間の密接な関係

睡眠は、妊娠しやすい体作りを目指す上で欠かせない要素です。
研究によると、睡眠時間は妊娠率に直接的な影響を与えることが示唆されており、睡眠不足も過度な睡眠も、ホルモンバランスの乱れを引き起こす原因となり得ます。

体を休ませるだけでなく、生殖機能を正常に保つためにも、適切な睡眠習慣を身につけることが妊活成功への近道といえるでしょう。

妊活中の理想的な睡眠時間は7〜8時間が目安

妊活における理想的な睡眠時間は、一般的に7時間から8時間とされています。
実際に、体外受精を受ける女性を対象とした研究では、睡眠時間が7~8時間のグループが最も妊娠率が高い結果でした。

一方で、睡眠時間が6時間など短くなるほど、また9時間以上と長すぎても妊娠率が低下する傾向が見られます。
睡眠時間が不足すると、排卵や着床に関わるホルモンの分泌が乱れやすくなります。
まずは自身の睡眠時間を見直し、毎日7~8時間を目安に安定した睡眠を確保することから始めましょう。

睡眠不足がホルモンバランスを乱す仕組み

睡眠不足や寝不足の状態が続くと、自律神経が乱れ、ホルモン分泌の司令塔である脳の視床下部や下垂体の機能に影響が及びます。
特に、睡眠中に多く分泌されるメラトニンは、卵子の質を高める抗酸化作用を持つ重要なホルモンですが、夜更かしなどで光を浴び続けると分泌が抑制されてしまいます。

また、成長ホルモンの分泌も減少し、卵子の成熟や子宮内膜の状態に悪影響を与える可能性があります。
このように、睡眠不足は妊娠に不可欠なホルモンのバランスを直接的に乱す原因となるのです。

睡眠不足は男女ともに影響あり!それぞれの体への作用

妊活は夫婦で取り組むものであり、睡眠不足がもたらす影響も例外ではありません。
睡眠不足は、女性の排卵リズムや卵子の質に影響を与えるだけでなく、男性の精子の生成能力にも関わります。
パートナー双方の生殖機能が万全な状態であってこそ、妊娠の可能性は高まります。
ここからは、睡眠不足が男性と女性の体にそれぞれどのように作用するのかを具体的に解説します。

女性の体への影響:卵子の質の低下や生理不順を招く可能性

女性にとって睡眠不足は不妊の大きな要因となり得ます。
慢性的な不眠はホルモンバランスを崩し、月経周期の乱れや無排卵を引き起こす原因となります。
また睡眠中に分泌されるメラトニンは卵子の老化を防ぐ強力な抗酸化作用を持ちますが、睡眠が足りないとこのメラトニンの分泌が減少し、卵子の質が低下する恐れがあります。

実際に不妊治療を受けている方の中には睡眠に課題を抱えているケースも少なくありません。
質の良い睡眠は規則的な生理周期と健康な卵子を育むための土台となります。

男性の体への影響:精子の質や量の低下につながることも

睡眠不足は男性の生殖機能にも悪影響を及ぼします。
睡眠時間が短いと、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が減少し、精子の数や運動率の低下を招くことが研究で示されています。
テストステロンは主に夜間に作られるため、質の高い睡眠を十分にとることが精子の質を維持するために不可欠です。

不規則な生活リズムはホルモンバランスを崩し、精子の生成に直接影響します。
妊活を考えるなら、男性も自身の生活習慣を見直し、毎晩しっかりと睡眠時間を確保することが求められます。

睡眠は時間だけでなく「質」が妊娠力を左右する

妊活において睡眠時間を確保することは基本ですが、単に長く眠れば良いというわけではありません。
本当に重要なのは、心身の回復とホルモン分泌を促す「睡眠の質」です。

浅い眠りが続いていたり、夜中に何度も目が覚めたりする状態では、たとえ長時間寝ていても体は十分に休まらず、ホルモンバランスも整いません。
妊娠力を高めるためには、深く良質な睡眠を追求することが不可欠です。

睡眠の質が低いとどうなる?不妊につながるリスク

睡眠の質が低い状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加します。
この状態は、排卵を促す性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、排卵障害や生理不順の原因となり得ます。

また、質の高い睡眠時に活発に分泌される成長ホルモンやメラトニンが不足すると、卵子や精子の質の低下につながる可能性があります。
さらに、質の悪い睡眠は疲労回復を妨げ、妊活に対する精神的なストレスを増大させることにもなり、結果として不妊のリスクを高める要因となります。

あなたの睡眠は大丈夫?質を確かめるセルフチェックリスト

自身の睡眠の質を客観的に把握するために、以下の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
「布団に入ってから30分以上寝付けない」
「夜中に2回以上目が覚める」
「一度目が覚めると、なかなか再び眠れない」
「朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまう」
「起床時に熟睡した感じがなく、疲れが残っている」
「日中に強い眠気を感じることが頻繁にある」。

これらの項目に複数当てはまる場合、睡眠の質が低下している可能性があります。
まずは自分の睡眠状態を知ることが、改善への第一歩です。

今日から実践!妊活中の睡眠の質を上げる8つの習慣

睡眠の質は、日々の少しの心がけで改善することが可能です。
特別なことを始める必要はなく、生活習慣を見直すことで、体は自然と眠りの準備を整えられるようになります。

ここでは、今日からでもすぐに取り組める、睡眠の質を高めるための8つの具体的な習慣を紹介します。
これらの習慣を日常生活に取り入れ、妊娠しやすい体作りを目指しましょう。

寝室をリラックスできる快適な空間に整える

質の高い睡眠を得るためには、寝室が心からリラックスできる場所であることが重要です。
まずは、温度と湿度を快適に保ちましょう。
夏は25~26℃、冬は22~23℃、湿度は年間を通して50~60%が目安です。

また、光は睡眠を妨げる大きな要因となるため、遮光カーテンを利用して部屋をできるだけ暗くすると効果的です。
テレビやスマートフォンなどを寝室に置かず、眠るためだけの空間として整えることで、脳が「寝室=眠る場所」と認識し、スムーズな入眠につながります。

体に合った寝具や肌触りの良いパジャマを選ぶ

睡眠中の快適さを左右する寝具選びは、睡眠の質に直結します。
マットレスは、硬すぎず柔らかすぎず、立っている時と同じような自然な背骨のカーブを保てるものを選びましょう。

枕の高さも重要で、首や肩に負担がかからないものが理想です。
また、直接肌に触れるパジャマは、吸湿性や通気性に優れたシルクや綿などの天然素材がおすすめです。
体を締め付けない、ゆったりとしたデザインを選ぶことで、リラックス効果が高まり、深い眠りへと導かれます。

栄養バランスを考えた夕食を就寝3時間前までに済ませる

就寝直前に食事を摂ると消化活動のために胃腸が働き続け体が休息モードに入りにくくなります。
そのため夕食は就寝の3時間前までに済ませるのが理想的です。
食事内容も重要で睡眠の質を高めるアミノ酸の一種「トリプトファン」を多く含む乳製品大豆製品バナナなどを取り入れると良いでしょう。
トリプトファンは体内で睡眠を促すホルモンであるセロトニンやメラトニンの原料となります。

消化に負担のかかる脂っこい食事や食べ過ぎは避け腹八分目を心がけましょう。

日中にウォーキングなどの適度な運動を取り入れる

日中に適度な運動を行うと、心地よい疲労感が得られ、夜の寝つきが良くなります。
特に、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
運動のタイミングとしては、夕方から就寝の3時間前までがおすすめです。

この時間帯に体を動かすことで、就寝時に向けて深部体温が下がりやすくなり、自然な眠気を誘います。
ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経を刺激してしまい逆効果になるため、避けるようにしましょう。

就寝前の入浴で体を芯から温める

就寝の約90分前に、38~40℃程度のぬるめのお湯に15分ほど浸かることで、体の深部体温が一時的に上昇します。
その後、布団に入る頃に体温が徐々に下がる過程で、体は休息モードに切り替わり、強い眠気が訪れます。

熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまうため、リラックスできる温度設定がポイントです。
シャワーだけで済ませず、湯船にしっかり浸かる習慣をつけることで、血行が促進され、心身の緊張がほぐれ、質の高い睡眠につながります。

カフェインやアルコールの摂取時間・量に注意する

カフェインには覚醒作用があり、その効果は数時間持続するため、就寝前の摂取は寝つきを悪くする原因となります。
コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどは、夕方以降は控えるのが賢明です。

また、アルコールは寝つきを良くするように感じられますが、実際には睡眠を浅くし、夜中に目が覚める原因になります。
利尿作用もあるため、トイレで起きてしまうことも少なくありません。
妊活中は、アルコールの摂取自体を控えるか、飲む場合でも就寝の3~4時間前までにごく少量に留めましょう。

寝る1時間前からはスマホやPCの画面を見ない

スマートフォンやパソコン、テレビの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させ、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。
メラトニンは、自然な眠りを誘うだけでなく、卵子の質にも関わる重要なホルモンです。

そのため、就寝の1時間前にはデジタルデバイスの使用をやめ、脳と体をリラックスさせる時間を作りましょう。
画面を見る代わりに、読書をしたり、静かな音楽を聴いたりするなど、穏やかな過ごし方を心がけることが質の高い睡眠への鍵です。

心と体を落ち着かせる就寝前のルーティンを作る

毎日寝る前に決まった行動をとる「入眠儀式」を作ることで、心と体に「これから眠る時間だ」という合図を送ることができます。
例えば、穏やかな音楽を聴く、ノンカフェインのハーブティーを飲む、軽いストレッチで体のこりをほぐす、アロマオイルの香りでリラックスする、日記をつけて一日の思考を整理するなど、自分が心から落ち着ける方法を見つけましょう。

このルーティンを習慣化することで、交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズになり、自然と眠りに入りやすくなります。

【妊活中の悩み】タイミング日にパートナーが寝てしまう時の対処法

妊活を進める中で、「排卵日に合わせてタイミングをとりたいのに、パートナーが疲れて寝てしまった」という悩みは少なくありません。
仕事の疲れやプレッシャーからくるすれ違いは、多くのカップルが経験する問題です。

このような状況を乗り越えるためには、一方的に相手を責めるのではなく、二人で協力して解決策を見つける姿勢が何よりも重要になります。

夫婦で妊活と睡眠の大切さを共有する

まず大切なのは、妊活が二人にとって共通の目標であり、睡眠が男女双方のコンディションに影響するという事実を共有することです。
なぜ質の良い睡眠が必要なのか、睡眠不足が女性のホルモンバランスや卵子の質、男性の精子の状態にどう影響するのかを、具体的な情報をもとに話し合ってみましょう。
お互いの体への理解が深まることで、睡眠習慣の改善に協力して取り組む意識が芽生えます。

どちらか一方だけの問題と捉えず、二人で健康的な生活を目指すことが、すれ違いを防ぐ第一歩です。

プレッシャーを減らしリラックスできる雰囲気を作る

タイミングの日だからというプレッシャーは、かえって男性の心身に負担をかけ、うまくいかない原因になることがあります。
義務感や焦りは、リラックスした状態とは程遠く、寝てしまうという状況を引き起こす一因にもなりかねません。

大切なのは、タイミングの日を特別なイベントにしすぎず、普段からのコミュニケーションを大切にすることです。
日頃からスキンシップを心がけたり、リラックスできる寝室の環境を一緒に整えたりすることで、自然な雰囲気を作り出すことができます。
お互いを思いやる気持ちが、プレッシャーを和らげます。

まとめ

妊活における成功の可能性を高めるためには、7〜8時間を目安とした十分な睡眠時間を確保し、その質を高めることが男女ともに重要です。
睡眠不足はホルモンバランスの乱れを招き、女性の卵子の質や男性の精子の状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

睡眠の質を向上させるためには、リラックスできる寝室環境を整え、就寝前の食事やスマートフォンの使用習慣を見直すなど、日々の生活の中で実践できる工夫を取り入れることが効果的です。
妊活は夫婦で協力して取り組む課題であり、睡眠の重要性をお互いに理解し、支え合いながら健康的な生活習慣を築いていくことが求められます。

鈴木 裕明

明生鍼灸院 院長/全日本鍼灸学会 認定鍼灸師

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