妊活うつになると、日常生活はもちろん、夫婦生活にも支障が出るため、早めに対処しておかないと大変なことになります。特に不妊治療を受けている妊活中の方は、ストレスを抱えやすいため、まずはどうストレスと向き合っていくかが大切です。
どうしても心に不安がある時には、専門家に相談し、うつの症状が酷くならないうちに対処しましょう。「まさか自分が…」ではなく「誰にでもうつは起こる」と考えると、妊活中のうつにも気付きやすくなります。
妊活うつの特徴とは?
妊活うつと聞くと病名にありそうにも聞こえますが、症状があるだけで病名に「妊活うつ」と付くことはありません。そのため、症状によって、精神的なエネルギーの低下があれば「妊活うつ」と呼ばれますし、うつ状態で変化しない場合は「適応障害」などと判断されることも多いです。
また、妊活うつの状態は、別名「不妊うつ」や「不妊ノイローゼ」などと呼ばれることもあり、女性はもちろん男性でも発症する可能性があります。ノイローゼと聞くと軽く取られがちですが、妊活うつは、治療が必要な状態です。発症したかな?と感じた場合は、すぐに専門家に相談しましょう。
妊活うつの主な症状例
人はどんな時でもモチベーションの上下はありますが、妊活中に以下のような症状が現れた場合は、医院などを受診しましょう。
・何にも興味を持てなくなった
・突然悲しくなり、涙が流れることがある
・どうせ自分なんてと、自己否定しがち
・夫や妻に対してイライラしてしまう
・楽しいことや嬉しいことを感じられなくなった
・眠れない日が続く
・死にたい、消えたいなどのネガティブな感情が沸いてくる
・他人の幸せと自分を比べてしまう
・産休明けや妊娠中の女性を見ると落ち着かなくなる
これらの症状が現れた場合は、妊活うつの可能性があります。どれも否定的な感情が多いですが、うつの症状の代表例です。
妊活うつの主な原因は?
妊活うつの原因は「これ」というものがなく、どこが原因になるかははっきりしません。妊活をするまでの流れや環境の差、経済的な負担やパートナーの対応などが関係してくるからです。もし「妊活うつかも?」と思った時には、まず自分のストレスの原因から探ってみてください。妊活で多い症状として、代表例を以下に挙げてみます。
・女として価値がないのでは?と自己否定してしまう
・周りの人が妊娠してるのを見て焦ってしまう
・不妊治療で痛みや不快感を我慢できなくなる
・パートナーとの意見のすれ違いなどがあるか
・子どもはいつ?などの周りからのプレッシャーが多い
・思い描いていた未来とのギャップに苦しむ
・不妊治療で経済的に苦しくなる
実際の患者さんの中には、これらが原因となって苦しむ方が多いです。妊活うつは原因がはっきりしない面もありますが、ストレスが関係している可能性が高いため、まずは、ストレスを減らすことが大切です。
費用が高額になりがち
妊活中は不妊治療を受ける方も多いですが、回数を重ねるごとに医療費の負担が重荷になります。自然妊娠を望んで妊活する場合は、排卵検査薬、もしくは妊娠検査薬だけで済むこともありますが、不妊治療の費用は高額です。
不妊治療として有名なものに「タイミング療法」がありますが、クリニックなどの受診が必要ですし、子宮や精子の検査で異常が見つかれば、さらに治療費がかかります。また、不妊治療は年齢や回数にも制限があるため、焦りから妊活うつなどを発症する可能性もあります。
先が見えないことへの不安
妊活中は、不妊治療を受けても、必ず子どもを授かるとは限りません。その影響で、いつになったら治療が終わるのかがわからない状態が続き、それもまたストレスになります。中には「今回こそ!」と思っていても、生理が来るたびに落胆することが続けば、精神的にも不安定になり、妊活うつになるのも仕方のないことかもしれません。
また、妊活は妊娠がゴールですが、そのゴールが来るタイミングがわからないことも、女性にストレスとなり妊活うつの原因になることもあります。
仕事との両立の大変さ
今は女性も働く時代なので、妊活中も仕事をする方も多いです。ただ、妊活は職場の理解がないと続けるのが難しく、高度不妊治療ともなれば、1か月に10日以上の通院が必要なケースもあります。仮に休みが取りにくい職場で働いていれば、受診日が休みと重ならず、思うように治療を受けられない可能性も高いです。
ただ、妊活に集中したいからと仕事を辞めれば、今度は不妊治療の費用を賄えず、経済的な負担がのしかかります。そうなれば、妊活うつが発症する可能性も高まります。
情報不足への不安
妊活中に不妊治療の情報収集をしようとしても、自分にぴったりの情報を見つけ出すことは困難です。なぜなら、不妊治療の原因には個人差があり、ネット上やSNSだけでは、信頼できる情報が見つかるとは限らないからです。中には「○○をすれば妊娠する」などの疑わしい情報にすがりたくなるかもしれませんが、その情報の信頼性はありません。
また、体験談などが参考になるケースもありますが、その情報の中に「何もしてないけど妊娠しました」と書かれていれば、それも妊活中の人には辛い話となります。そのため、妊活中はクリニックの先生の意見を参考にするに留め、ネット上の情報などに踊らされないことが大切です。見ても辛くなるだけなので、できるだけシャットアウトして、余計なストレスを溜めないようにしましょう。
家族も不安になる女性の妊活うつ
妊活中にありがちな話ですが、家での話題がすべて不妊治療の話になれば、家族全員が不安になってしまいます。男性も女性も妊活うつにかかると、お互いのことがわからなくなるほど落ち込みます。一緒にいると楽しいはずのパートナーといるのが苦痛になった場合は、もしかしたら妊活うつになっているのかもしれません。
男性にもある妊活うつ
妊活うつは、女性だけでなく男性もかかり得る症状です。不妊治療を始める時には、妊娠しない理由が男性にある場合も考えられます。ただ、男性にとって検査を受けることは「今まで健康に暮らしていたはずなのになぜ?」と否定したくなることもあるでしょう。
また、排卵日周期の夜の生活でも、仕事で夜遅くなって性行為ができないことを妻に咎められたりすれば、どんどんストレスも溜まっていきます。だからこそ、妊活中は男性もうつにかかる可能性があるのです。
男性の「妊活うつ」のチェック方法
男性が妊活うつにかかっているかを調べるなら、まず、以下に該当しないかをチェックしてみてください。
・妻と感情的なぶつかりが多くなった
・排卵日なのに緊張してしまい、うまくいかない(排卵日ED)
・家族などの言葉がどれも煩わしく感じる
・経済的な不安が強くなり、いつもお金のことを考えてしまう
・子どもが生まれない原因が自分にあると感じ、仕事でも自信をなくしてしまう
男性の場合、経済的な問題はともかく、精神的な問題は解決できる可能性があります。そのため、妊活うつは男性もかかる可能性があることを考え、パートナーの女性も理解してあげることが大切です。
妊娠とストレスの関係
妊活中の女性の中には「ストレスが不妊の原因」と考える方も多いですが、実は逆で不妊自体がストレスになっている可能性が高いです。ストレスと不妊を関連付ける証拠はまだ不明ですが、不妊治療中のストレスでホルモンバランスが乱れている可能性は否定できません。妊活中に不妊治療を受けている場合は、多くの方がストレスを抱いていますが、ストレスとどう向き合っていくかが大切です。
妊活中のメンタルケアの重要性
妊活中に不妊治療を受けている場合、上記でも説明したように、少なからずストレスを抱えるのは仕方のないことです。ただ、ストレスをやわらげる方法はありますし、もしどうしても辛いようならクリニックなどで相談してみましょう。まずは悩みを相談して、少しでも不安を取り除くことで精神的にも安定し、治療を続ける原動力にもなります。
自分のペースを守ることが大切
妊活うつにかからないためにも、自分のペースを守ることが大切です。まずは、周囲からの希望と自分が思い描いている理想像にギャップがないかを確認してみましょう。周りからの声に流されていると、徐々に自分のペースが乱れ、それがうつに繋がる可能性もあります。そのため、自分はどう考えているのかと、周りがどう思っているかなどを混同しないことも大切です。
妊活うつの対処法
不妊治療が原因で妊活うつを発症してしまうと、日常生活はもちろん夫婦生活にも支障が出てしまいます。もしメンタル面での不調を防ぎたいのであれば、「SNSに頼り過ぎない」「妊活のことを考えない日を作る」「パートナーとの意見のすり合わせを行う」「不妊治療中も休息をとる」「医師やカウンセラーに悩みを相談する」などの方法があります。
妊活うつは誰でもが発症する可能性があるので、少しでもうつの症状を減らせるように、対処法も確認してみてください。
自律神経の乱れが原因かも?
妊活中のストレスには、自律神経の乱れも影響しています。自律神経が乱れると、不眠や不安、冷え、頭痛、イライラなどの症状が現れ、ホルモンバランスも乱れ、さらには月経不順や排卵障害、不正出血などを引き起こす可能性もあります。ストレスの影響で自律神経が乱れ心身に不調をきたした場合は、鍼灸が効果的です。鍼灸を継続することで緊張を解しリラックスさせることで自律神経を整えます。
体調が悪い時は良い考えも浮かばず、負のスパイラルに陥りやすくなります。鍼灸を継続することでそんな負のスパイラルから早く抜け出すことができます。
まとめ
妊活うつにかかる可能性は、男女問わずあり、原因はまだはっきりしていません。ただ、ストレスが影響している可能性は高く、まずはどうストレスと向き合っていくか、が大切です。妊活で自然妊娠を目指している方はそうでもないですが、不妊治療を受けている方は経済的な費用負担も大きなストレスとなります。妊活中は様々な原因でストレスを感じることも多いため、不安な時はクリニックなどを受診して専門家に相談し、少しでも心の負担を軽くしてみましょう。
▼明生鍼灸院の予約はこちらから
https://www4.revn.jp/meiseiacp/
▼明生鍼灸院のInstagramでも発信中!